編集デスク お受験攻略ライターの西野マイです。 今回も多く寄せられてる質問にお答えしていきます。
この記事を読んでいる方は、小学校受験の願書における短所の書き方が気になっていると思います。 「短所を正直に書きすぎると評価が下がるのではないか」「どう表現すればマイナスな印象を与えないのか」と悩まれるご家庭は非常に多いです。
この記事を読み終える頃には、願書で短所を魅力的に伝え、学校側に好印象を与えるための疑問が解決しているはずです。
- 長所にも言い換えられる短所の選定
- 改善に向けた家庭での具体的な取り組み内容
- 取り組みによって見られた子供の小さな成長過程
- 面接での深掘りを見据えた一貫性のある記述
それでは解説していきます。
小学校受験の願書|短所の書き方で気をつけるべき注意点3選
長所にもなるような短所を見つける
小学校受験の願書において、お子様の短所を書く際に最も重要なのは、長所にも変換できる短所を選ぶことです。 多くの方が、願書の項目を前にすると「集中力がない」「人の話を聞かない」といった欠点をそのまま素直に書いてしまいがちです。
しかし、小学校受験という特別な場においては、あまりにもストレートな短所を記載するのは避けるのが無難です。 学校側は、お子様のあら探しをするために短所を尋ねているわけではありません。
短所を尋ねることで、親御さんがお子様をどのように客観視し、どのように捉えているかを確認しようとしています。 そのため、前向きな言葉で言い換えができる、表裏一体の短所を提示することが求められます。
視点を変えれば長所になる性格の例
例えば、「時間を守ることが苦手」という短所は、見方を変えれば「一つのことに没頭できる集中力の高い子供」だと言い換えることができます。 この場合、単に時間を守れないと書くのではなく、現在お子様が熱中している工作などを例に挙げます。
「集中力があり好きなことに熱中しすぎるあまり、つい時間を忘れてしまうことがあります」と表現します。 このように書くことで、お子様の長所である集中力を同時にアピールすることができます。
また、面接の際に「どのようなことに熱中しているのですか」と面接官に興味を持っていただける材料を提供することにも繋がります。 ネガティブな要素を、ポジティブな側面から照らし出す視点が不可欠です。
移り気な性格を好奇心旺盛と言い換える
他にも、「広く浅く興味を持つタイプ」「移り気なタイプ」といった性格で悩まれる親御さんも少なくありません。 これも言い方を変えれば、「好奇心旺盛で何事にも興味を持つ前向きな性格」と捉えることができます。
願書では「好奇心旺盛のあまり色々なことに手を出してしまい、一つのことに掛ける時間が少なくなってしまう傾向があります」と記述します。 短所と長所は常に表裏一体であることを意識し、他の言葉で前向きに変換できないか、一度じっくりと考えてみてください。
改善のための具体的な取り組み内容を入れる
短所の書き方で2つ目に気をつけるべきことは、その短所を改善するために家庭でどのような取り組みを行っているかを必ず入れることです。 願書の中で「これが短所です」と事実だけを書いて終わってしまっては、学校側からの評価は得られません。
短所を自覚しているにも関わらず、そのまま放置している家庭だと見なされてしまうリスクがあります。 短所を悪印象のまま終わらせないためには、親としてどのように関わり、改善へ導こうとしているのかを明記することが必須です。
家庭での具体的なサポート方法の記述
先ほどの「時間を忘れてしまう」という短所を例に挙げてみましょう。 この場合は、「スケジュールを子供と一緒に確認する」「タイマーを使って時間を意識させる」といった具体的な対策を書きます。
移り気なお子様であれば、「一つの体験から深く集中できる環境を意図的に作る」などのアプローチが考えられます。 大切なのは、短所を短所のままで終わらせず、ご家庭内で工夫し、行動に移している姿を伝えることです。
学校側が求めている家庭の姿とは
もし、短所に対する改善行動をまだ起こせていない場合は、面接や考査の当日までに何かしらのアクションを始めてください。 親としては些細な取り組みだと感じるかもしれませんが、短所を客観的に理解し、それを補うための行動をしていることが伝われば十分です。
最難関校を受験するお子様であっても、短所が全くない完璧な人間など存在しません。 学校側が本当に求めているのは、成長過程で困難や課題が生じた際に、より良い方向へ伸ばそうと努力できるご家庭の姿勢なのです。
子供の成長にもしっかりと触れる
短所を挙げ、家族での改善に向けた取り組みを書いたら、次に必要なのは「子供の成長」について触れることです。 これが、短所の書き方において3つ目に気をつけるべき重要なポイントとなります。
現段階で短所が完全に改善されていなくても全く問題はありません。 親の働きかけによって、少しずつでも変化が見られること、成長している過程にあることを必ず書き添えてください。
少しの変化を見逃さずに記述する
そうすることで、学校側は「この子は何か問題に直面しても、大人の適切なサポートを受けながら自ら成長できる力を持っている」と安心します。 繰り返しになりますが、就学前の段階で完璧に仕上がっているお子様はいません。
先ほどのタイマーの例であれば、「タイマーを使用して時間を守る練習をしています」という親の取り組みに続けて、子供の変化を書きます。 「最近では本人も次の行動を意識するようになり、自分から進んでタイマーをセットし、時間を守る努力が見られるようになりました」と具体的に付け加えます。
完璧さよりも課題に向き合う姿勢をアピール
移り気な短所を持つお子様の場合はどうでしょうか。 「様々な体験を通して、一つのことにじっくり取り組む楽しさを知り、少しずつですが集中して遊ぶ時間が増えてきました」といった記述が有効です。
ご家庭の取り組みによって劇的な変化があったのであれば、それをそのまま書くことが理想的です。 しかし、継続して取り組みを行っていることや、お子様自身が自分の課題を理解して行動しようとしていることの方が、実ははるかに高く評価されます。
受験期が近づくと、どうしてもお子様の至らない部分ばかりが目についてしまいがちです。 しかし、願書作成を通して小さな成長を見逃さず、親子で一緒に喜べるような視点を持つことが、良い願書を作成する秘訣となります。
願書の短所作成を成功に導く|長所への言い換え具体例と数字比較
集中力がない・落ち着きがない子供の言い換え
活発なお子様を持つご家庭で最も多い悩みが「落ち着きがない」「一つのことに集中できない」というものです。 これを願書に記載する際は、「知的好奇心が非常に高く、周囲の様々な事象に敏感に反応する」といった表現に変換します。
行動力があり、新しいことへの探求心が強いからこそ、次々と興味の対象が移り変わるのだという見方を提示します。 その上で、「現在は、図鑑を見ながら一つのテーマについて深く調べる時間を作るなど、集中力を持続させる工夫をしています」と繋げます。
頑固・自分の意見を曲げない子供の言い換え
「頑固で一度言い出したら聞かない」という短所も、扱い方によっては強い武器になります。 この場合は、「自分の意志をしっかりと持っており、物事を最後までやり抜く芯の強さがある」と言い換えることが可能です。
周囲に流されず、自分の考えを主張できるのは、これからの時代に求められるリーダーシップの萌芽でもあります。 改善策としては、「自己主張を認めた上で、お友達の意見にも耳を傾ける大切さを日々の絵本の読み聞かせなどを通じて伝えています」と記載すると良いでしょう。
引っ込み思案・大人しい子供の言い換え
初めての場所や人に対して「引っ込み思案で消極的」というのも、よくあるご相談です。 この性格は、「非常に慎重で、周囲の状況をよく観察してから行動に移すことができる思慮深さがある」と表現できます。
軽率な行動をとらない、場の空気を読む力があるといった長所として捉え直すのです。 「無理に前に出させるのではなく、本人のペースを尊重しながら、少しずつ成功体験を積めるよう家族でサポートしています」と親の温かいまなざしを伝えます。
願書全体の文字数バランスにおける短所の割合
願書において、短所に関する記述が全体のどれくらいの割合を占めるべきか、バランスの取り方も重要です。 文字数が限られた枠の中で、事実と改善策、成長のプロセスをどう配分するかについて、一般的な傾向と理想的な割合を比較表にまとめました。
| 項目(短所の記述要素) | 一般的な願書の文字数配分 | 合格に近づく理想の配分 |
|---|---|---|
| ① 短所の事実と具体的エピソード | 50% | 20% |
| ② 長所への言い換え・ポジティブな側面 | 20% | 30% |
| ③ 家庭での改善の取り組みと親のサポート | 20% | 30% |
| ④ 取り組みによる子供の成長と変化 | 10% | 20% |
この表から分かるように、一般的な願書では「短所の事実」を説明することに文字数の半分を費やしてしまいがちです。 しかし、これではネガティブな印象が強く残ってしまいます。
理想的なのは、短所の事実は簡潔に20%程度に留めることです。 残りの80%を使って、長所への転換、家庭での教育方針、そしてお子様の確かな成長過程を語ることに注力してください。
願書の短所欄で絶対に書いてはいけないNGパターン
学校の教育理念に反する短所を記載する
短所を書く際、志望校の建学の精神や教育理念に真っ向から反する内容を書いてしまうのは致命的なミスです。 例えば、「協調性を何より重んじる学校」に対して、「周囲と合わせることが全くできず、常に単独行動を好む」と強調してしまうケースです。
これでは、学校側が「本校のカラーには合わないのではないか」と判断する材料を自ら提供しているようなものです。 志望校が求める子供像をしっかりと分析し、それに抵触しない範囲の短所を選ぶという戦略的な視点が求められます。
身体的特徴や発達に関わるデリケートな内容
願書の性格欄に、身体的な特徴や、医療的・専門的な支援が必要と思われる発達のグレーゾーンに関する内容を詳細に書くことは推奨されません。 学校側は専門の医療機関ではないため、願書の文面だけで判断することが難しく、過度な不安を与えてしまう可能性があります。
もし健康上や発達上の配慮が必要な場合は、性格の短所欄ではなく、備考欄などに「入学後にご相談させていただきたいこと」として別途記載するのが適切です。 短所欄は、あくまで日常の性格的傾向や行動パターンの範囲内に留めておくのが定石です。
家庭環境の悪さが露呈するような記述
短所の改善策を書く際に、無意識のうちに家庭環境の悪さや親の余裕のなさを露呈してしまう文章にも注意が必要です。 例えば、「子供が言うことを聞かないので、厳しく叱責して言うことを聞かせています」といった表現です。
学校側は、家庭内での暴力的な指導や、親の感情に任せたしつけを極度に警戒します。 「根気よく対話を重ねる」「理由を説明して納得させる」といった、理性的で愛情深い子育てをしていることが伝わる表現を徹底してください。
改善の余地が見えない致命的な性格の欠陥
「嘘をつく癖が直らない」「他のお友達に手を出してしまうことが多い」といった、他者を意図的に傷つけるような短所は避けるべきです。 これらは集団生活を営む上で大きな障害となり、学校側が最も引き受けたくないトラブルの火種となります。
小学校受験において選ぶべき短所は、「まだ幼いがゆえの未熟さ」に起因するものです。 時間をかけ、経験を積むことで自然と解消していくような、愛嬌のある短所を見つけることが成功へのカギとなります。
願書から面接へ|短所の記述が面接でどう活かされるか
面接官は願書の短所から親の対応力を見ている
願書に記載した内容は、そのまま面接での質問のベースとなる「台本」の役割を果たします。 面接官が短所について深掘りしてくる場合、彼らの関心は「子供の欠点そのもの」ではなく、「親がどう対応しているか」にあります。
「願書に〇〇とありますが、ご家庭で特に苦労されていることは何ですか?」といった質問が投げかけられます。 この時、親御さんが感情的にならず、冷静かつ客観的にお子様の課題を語り、前向きに取り組んでいる姿勢を示せるかが勝負となります。
面接で短所を深掘りされた際の模範的な回答構築
面接で短所について触れられた際は、願書に書いた内容をただ繰り返すだけでは不十分です。 願書提出後から面接日までの間に生じた、新たなエピソードや更なる成長の様子を付け加えて回答することが望まれます。
「願書を提出した頃は〇〇でしたが、最近は幼稚園の行事を経験したことで、少しずつですが自ら〇〇できるようになってまいりました」と答えます。 常に子供が前進していること、そして親がその変化を細やかに見守っていることをアピールする絶好のチャンスとなります。
夫婦間で短所と改善策の認識を統一する重要性
面接本番で意外と多い失敗が、父親と母親で子供の短所に関する認識が食い違ってしまうことです。 父親が「うちの子は大人しすぎる」と心配している一方で、母親が「活発すぎて困る」と答えてしまうと、家庭内でのコミュニケーション不足が疑われます。
願書を書き上げる段階で、夫婦でしっかりと話し合い、子供の現状の課題と、それに対する家庭の教育方針のベクトルを完全に一致させておく必要があります。 面接官の質問に対して、夫婦がアイコンタクトを取り合い、同じ方向を向いて答える姿は、学校側に大きな安心感を与えます。
年齢別の短所の捉え方|早生まれと遅生まれの配慮
早生まれの子供の短所をどうポジティブに見せるか
1月〜3月生まれのいわゆる「早生まれ」のお子様の場合、4月生まれのお子様と比べると、約1年の発達の差があります。 そのため、「できないこと」が多くて当然であり、それをそのまま短所として捉えすぎてしまう親御さんが多くいらっしゃいます。
早生まれのお子様の短所を書く際は、「月齢的な幼さ」をベースにしつつ、それを取り戻そうとする健気な姿勢に焦点を当てます。 「お友達の輪に入るのに時間がかかることがありますが、年上のお友達の真似をしながら、一生懸命に追いつこうと努力する負けず嫌いな一面があります」といった表現が効果的です。
月齢による発達の差を踏まえた短所の記述法
遅生まれ(4月〜6月生まれ)のお子様は、集団の中でリーダーシップを期待されることが多くなります。 そのため、短所としては「自分の思い通りにならないと不機嫌になる」「お世話を焼きすぎてしまう」といった面が目立ちやすくなります。
この場合は、「リーダーシップの空回り」として捉え、「周囲との調和を図ることの難しさを学んでいる最中です」と記述します。 月齢に応じた発達の特性を理解した上で、その時期ならではの課題にどう向き合っているかを伝えることが、説得力のある願書へと繋がります。
志望校のカラーに合わせた短所の見せ方
伝統的な女子校が好む成長のプロセス
静粛さや規律を重んじる伝統的なカトリック系女子校などでは、短所との向き合い方にも「内面的な深まり」が求められます。 「はしゃぎすぎてしまう」という短所を書くのであれば、単に「静かにさせています」という物理的な対策だけでは足りません。
「時と場所をわきまえることの大切さを、家族の会話を通じて理解できるよう導いています」といった、精神的・道徳的な成長を促す記述が好まれます。 教えを素直に受け入れ、自らを律する心を育てようとする家庭環境をアピールすることが重要です。
自由闊達な共学校が求めるたくましさと課題解決
一方、自主性や個性を重んじる自由闊達な共学校の場合は、短所を乗り越える「たくましさ」や「自立心」が評価の対象となります。 「失敗を恐れて新しいことに挑戦しない」という短所に対しては、親が手取り足取り教えるのではなく、本人の自発的な行動を促すアプローチを記載します。
「失敗しても良いという環境を家庭内で意識的に作り、自分で試行錯誤する過程を見守るようにしています」と書きます。 学校側は、入学後も自ら課題を見つけ、乗り越えていけるバイタリティのある子供と、それを支える度量のある親を求めています。
願書提出前の最終チェックポイント
客観的な視点での推敲が不可欠な理由
短所の項目を含め、願書が書き上がったら、必ず時間を置いてから読み直す推敲の作業を行ってください。 我が子のこととなると、どうしても主観が入りすぎてしまい、独りよがりな文章になったり、思いが強すぎて重苦しい表現になったりすることがあります。
冷静な第三者の視点で読み返したとき、「このご家庭のお子様を入学させたい」と思える、明るく前向きなトーンになっているかを確認します。 特に短所の項目は、読み手によってはネガティブに受け取られかねないため、言葉選びには細心の注意を払う必要があります。
第三者に読んでもらい印象を確認する
可能であれば、受験を経験した先輩ママや、幼児教室の先生など、信頼できる第三者に作成した願書を読んでもらうことを強くお勧めします。 「この短所は言い訳がましく聞こえないか」「改善策は具体的にイメージできるか」など、自分たちでは気づけないフィードバックをもらうことができます。
他者の目を入れることで、文章の意図が正しく伝わるかどうかの客観的なテストになります。 提出期限ギリギリになって焦ることがないよう、余裕を持ったスケジュールで第三者のチェックを受ける体制を整えておきましょう。
プロの視点を取り入れることのメリット
ご自身での願書作成にどうしても不安が残る方や、文章表現に自信がない方は、お受験専門のプロフェッショナルによる添削や代行サービスを利用するのも一つの有効な手段です。 多くの合格願書を見てきたプロは、「学校側がどのキーワードに反応するか」「どのような構成が好印象を与えるか」を熟知しています。
ご家庭の思いやエピソードをヒアリングした上で、志望校のカラーに合わせたオーダーメイドの文章に磨き上げてくれます。 短所というデリケートな項目だからこそ、プロの知見を借りて、お子様の魅力が最大限に伝わる表現を追求することも、合格への確かな一歩となります。
まとめ
筆者情報
筆者:西野マイ フリーランスのお受験対策ライター。慶應大学卒業後、中学校受験対策塾、小学校受験対策塾、幼稚園受験対策塾を経て、現在に至る。 幅広い学校の知識を有し、各学校の特徴及び受験傾向を熟知している。 長年の指導経験に基づく、家庭の教育方針に寄り添った具体的なアドバイスに定評がある。



