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自動車

【BMW】高齢者が見栄で買うと後悔する理由|高額維持費と運転し辛さを解説

モータージャーナリスト兼コラムニストの二階堂仁です。今回も多く寄せられてる質問にお答えしていきます。

この記事を読んでいる方は、人生の集大成としてBMWの購入を検討しつつも、「高齢者が乗ると後悔する」というネットの噂が気になっていると思います。私も実際に多くの輸入車を所有し、維持費の洗礼やサイズによる苦労を経験してきたので、その不安は痛いほどよくわかります。憧れのブランドを手に入れる喜びがある一方で、準備不足のまま踏み出すと、せっかくのシニアライフが暗転しかねないのも事実です。

引用 : メーカーHP

この記事を読み終える頃には、BMWを高齢で見栄で買うことの真のリスクと、それを回避するための具体的な判断基準が明確になっているはずです。

この記事の要約
  1. 維持費が国産車の3倍から5倍に跳ね上がる現実

  2. ディーラー車検が年金収支を圧迫する構造的理由

  3. 日本のインフラに不適合なボディサイズと視界の狭さ

  4. 最新の電子制御とアナログな身体能力のミスマッチ

 

それでは解説していきます。

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BMWの維持費と経済的リスクの現実

BMWを所有するということは、単に車両代金を支払うだけでは済みません。

特に60代以降、年金生活を見据えたタイミングでの購入は、家計に深刻なダメージを与える可能性があります。

引用 : メーカーHP

ここでは、なぜBMWの維持費が「高すぎる」と言われるのか、その構造的な背景から解説します。

BMW車検が高額になるメカニズム

BMWの車検が国産車に比べて圧倒的に高額になる最大の理由は、「予防整備」の考え方にあります。

日本車が「壊れてから直す」という設計思想であるのに対し、ドイツ車であるBMWは「壊れる前に交換する」という設計思想が徹底されています。

特に走行性能と安全性を担保するためのゴム類や樹脂パーツの交換推奨サイクルが非常に短いため、ディーラーの点検項目は膨大になります。

さらに、ディーラーのレバレート(時間工賃)の高さも無視できません。

国産ディーラーが1時間あたり8,000円〜1万円程度であるのに対し、BMWの正規ディーラーでは1.5万円〜2万円近い設定になっていることも珍しくありません。

24ヶ月点検の基本料金だけで5万円〜7万円、そこに指定の油脂類や部品代が加わることで、初回車検でも20万円、2回目以降は40万円〜50万円という見積もりが平然と出てきます。

実際の車検費用シミュレーション(3回目・7年目車検の例)

項目 BMW 5シリーズ 国産高級セダン(クラウン等)
基本点検料・代行手数料 約 80,000円 約 45,000円
エンジンオイル・フィルター交換 約 35,000円 約 12,000円
ブレーキフルード交換 約 15,000円 約 8,000円
ブレーキパッド・ローター(前後) 約 180,000円 約 60,000円
バッテリー交換(AGM/大容量) 約 80,000円 約 35,000円
諸費用(重量税・自賠責・印紙) 約 55,000円 約 55,000円
合計概算 約 445,000円 約 215,000円

このように、2倍以上の差が出るケースが一般的です。

高齢者の方が「見栄」で上位車種(7シリーズやX5など)を選べば、この金額はさらに跳ね上がります。

BMW消耗品の交換サイクルと単価

BMWは「走る・曲がる・止まる」の性能を極限まで引き出すために、消耗品にも特殊な素材や設計を採用しています。

例えば、ブレーキシステムです。

BMWのブレーキはパッドだけでなく、ローター(円盤)自体も削りながら制動力を得ているため、パッド交換2回に1回はローターの同時交換が必須となります。

これが「欧州車はホイールがすぐ真っ黒になる」理由でもありますが、その交換費用は国産車の比ではありません。

また、タイヤも大きな出費要因です。

BMWの多くは「ランフラットタイヤ」を標準採用しています。

パンクしても一定距離を走行できる安全なタイヤですが、1本あたりの単価が非常に高く、乗り心地を重視するプレミアムブランドゆえに、摩耗が進むと極端にロードノイズが増えます。

18インチや19インチの大径タイヤを4本交換すれば、それだけで15万円〜30万円の出費となります。

BMW部品代が国産車の数倍する理由

BMWのパーツは、その多くが本国ドイツや海外の拠点から取り寄せられます。

円安の影響や物流コストの高騰はダイレクトに部品価格に反映されます。

また、BMWは「アッセンブリー交換」を基本とします。

例えば、小さな電子部品が一つ故障しただけでも、その周辺の基板やユニット丸ごと交換となるため、部品単価が10万円単位になることが日常茶飯事です。

近年は、LEDヘッドライトの進化も凄まじいですが、これは「故障時の絶望」も意味します。

BMWのレーザーライトやアダプティブLEDヘッドライトが片側故障しただけで、交換費用に30万円〜50万円かかるモデルもあります。

「ぶつけなければ大丈夫」と思われがちですが、経年劣化による内部の曇りや基板不良でも車検に通らなくなるため、長期保有する高齢者にとって大きなリスクとなります。

BMW年金生活を脅かす突発的故障

60代での車購入において、最も警戒すべきは「突発的な大物故障」です。

購入から5年を過ぎ、メーカー保証(BMWサービス・インクルーシブ等)が切れたタイミングで、様々な不具合が顔を出します。

特に以下の3点は「年金生活破綻」を招きかねない修理箇所です。

  • 冷却系システム(水漏れ): BMWの弱点とも言われる部分で、ウォーターポンプやサーモスタット、サブタンクの亀裂など。修理代は15万〜25万円。

  • トランスミッション(AT)の不調: シフトショックや変速不能。リビルド品への交換でも50万円〜80万円。

  • サスペンション(エアサス)の寿命: 上位モデルに多いエアサスペンションのパンク。1箇所で20万円〜30万円、4輪全てとなれば軽自動車の新車が買えるほどの額になります。

毎月の年金が20万円程度の世帯において、突発的に30万円の修理代を求められる恐怖は、精神的な健康すら損なうものです。

BMWディーラーでの悲劇的な相談事例

ある日、友人のレクサスRXオーナーから聞いた話が、この「高齢者の輸入車後悔」を象徴しています。

彼は車検の受付でディーラーを訪れていた際、隣のブースから漏れ聞こえる切実な声に耳を疑ったそうです。

そこにいたのは、上品な装いの60代と思われる女性。

彼女の前には、50万円を超える車検の見積書が提示されていました。

「これでは生活が成り立ちません。年金からどれだけ出せばいいのか、整備士さん、教えてください」

彼女は涙ながらに訴えていたといいます。

かつて現役時代に購入したBMWを大切に乗ってきたのか、あるいは退職金で見栄えの良い車を購入したのかは分かりません。

しかし、整備士は淡々と「安全に乗るためには必要な項目です。削るなら自己責任になります」と答えるしかありません。

見栄を張るために選んだ「駆けぬける歓び」が、いつしか「駆けぬける借金」に変わってしまう瞬間です。

BMW認定中古車の罠と保証の重要性

「新車は高いから中古のBMWなら安く維持できるだろう」という考えは、高齢者にとって最も危険な罠です。

中古車価格が安くなっているということは、それだけ「多額の整備費用が発生する時期」が近づいていることを意味します。

特に走行距離が5万キロを超えた車両は、前述した冷却系や足回りの部品が寿命を迎え始める時期です。

BMW認定中古車には保証がつきますが、それも1年や2年という期限があります。

保証が切れた瞬間に時限爆弾が爆発するようなケースを、私はジャーナリストとして数多く見てきました。

退職金の一部を充てて購入し、その後は年金でやりくりしようとする計画は、中古車であればなおさら無謀です。

BMWリセールバリューの低さと買い替え

「高く売れるから大丈夫」という理屈も、BMWには通用しにくい部分があります。

BMWは新車販売時に大幅な値引きが行われることがあり、その影響で中古車市場の価格(リセールバリュー)が崩れやすい傾向にあります。

特に5年、7年と経過したモデルは、前述の維持費への懸念から買い手がつきにくく、下取り価格は二束三文になることも珍しくありません。

レクサスなどの国産高級車が10年経っても一定の価値を維持するのと対照的に、BMWは10年落ちになれば「ゼロ円査定」に近い扱いを受けることさえあります。

これは、次に買い換える際の元手(頭金)が作れないことを意味し、結果として高額な修理代を払って乗り続けるか、車を手放すかという残酷な選択を迫られることになります。

BMW維持費を抑える民間工場の活用法

もちろん、ディーラー以外の選択肢もあります。

輸入車専門の民間整備工場であれば、工賃を安く抑え、OEMパーツ(社外品だが同等品質の部品)を使って修理コストを3割〜5割カットすることが可能です。

しかし、これには「自分で信頼できる工場を探す」という手間と知識が必要です。

高齢者の方にとって、馴染みのない整備工場を訪ね歩き、専門用語を並べ立てるメカニックと交渉するのはハードルが高いでしょう。

結局、安心感を求めてディーラーに丸投げしてしまい、法外な請求書に頭を抱えることになる。

これが「見栄」で輸入車を選んだ多くの高齢者が陥る負のループなのです。

BMWの運転しづらさと身体的負担

経済面だけでなく、運転そのもののハードルが高いのもBMWの特徴です。

「BMWは運転が楽しい車」という評価は、あくまで「体力と判断力が万全なドライバー」を前提としています。

引用 : メーカーHP

加齢に伴う身体機能の変化と、BMWの設計思想が衝突する場面を解説します。

BMW日本国内でのサイズ感と取り回し

近年のBMWは、世界市場(特に中国や北米)の要求に応えるため、世代を追うごとに巨大化しています。

例えば、ミドルサイズSUVの「X3」でさえ全幅は1,890mm、上位モデルの「X5」に至っては2,005mmと、日本の一般的な駐車枠や細い路地では持て余すサイズです。

BMW主要モデルの全幅比較

モデル名 全幅(mm) 日本の道路での印象
3シリーズ (G20) 1,825 標準的だが狭い駐車場では注意
5シリーズ (G60) 1,900 かなり大きく、路地でのすれ違いが困難
X3 (G45) 1,920 SUVゆえの車高もあり、圧迫感が強い
X5 (G05) 2,005 日本の一般的な機械式駐車場には入らない

60代、70代と年齢を重ねるにつれ、車両感覚の把握能力(空間認知能力)は緩やかに低下します。

現役時代ならスッと通れた道で、気づかぬうちに左側を擦ってしまう。

一度擦れば、輸入車の板金塗装代は1箇所20万円〜。

見栄で買った大きなBMWが、いつしか車庫から出すのも億劫な存在になってしまうのです。

BMW死角の多さと高齢者の視覚能力

BMWのデザインは非常にスタイリッシュですが、それは時に「視界の犠牲」の上に成り立っています。

太いAピラー(フロントガラス脇の柱)は剛性を高めるためには必要ですが、交差点での歩行者を見落とす原因になります。

また、絞り込まれたリアウインドウと高いウエストラインは、後方の死角を大きくしています。

高齢になると首の可動域が狭くなり、目視確認が不十分になりがちです。

BMWの低い着座位置は「スポーティな一体感」を生みますが、周囲を見渡す「見晴らしの良さ」とは対極にあります。

死角を補うための360度カメラ等の電子デバイスも、瞬時の判断力が求められる場面では、肉眼での確認に勝るものではありません。

BMW重いハンドリングと腕力の低下

BMWの伝統である「重厚なステアリングフィール」も、高齢者にとっては負担となり得ます。

高速道路での直進安定性は抜群ですが、街中での切り返しやUターンにおいては、相応の手応え(重さ)を感じます。

最近のモデルは電動パワーステアリングの進化で軽く設定することも可能ですが、基本的には「路面情報を伝える」ために適度な重さが残されています。

腕力や握力が低下してくる世代にとって、この「重さ」は長距離ドライブでの疲労感として蓄積します。

「軽い操作でスイスイ動く」日本車に慣れた体には、BMWの操作系は、ブレーキペダルの踏みごたえも含めて「重く、疲れる」ものに感じられるでしょう。

BMW複雑すぎるデジタルインターフェース

現在のBMWのコクピットは「iDrive」と呼ばれる最新のインフォテインメントシステムに支配されています。

大型のカーブドディスプレイが鎮座し、物理ボタンは極限まで削られています。

エアコンの温度調節さえも画面上のタッチ操作で行う必要があります。

スマホを使いこなす60代であっても、運転中に階層の深いメニューから目的の機能を探すのは至難の業です。

「走行モードの切り替え」「ナビの目的地設定」「安全支援システムのオンオフ」……。

これらを直感的に操作できないストレスは、高齢ドライバーの集中力を著しく削ぎ、事故のリスクを高めます。

また、ソフトウェアのアップデートに伴い操作性が変わることもあり、アナログな操作を好む世代にとっては「車に置いていかれる」感覚を抱かせます。

BMW足回りの硬さが及ぼす腰への影響

「BMWは足が良い」と言われます。

それは、路面の凸凹をいなしつつ、カーブで車体が傾かない強固なサスペンションを指します。

しかし、これは快適な「フワフワ感」を求める高齢者のニーズとは異なります。

特にMスポーツパッケージなどのスポーティな仕様を選ぶと、路面からの突き上げはダイレクトに腰に響きます。

脊柱管狭窄症や腰痛を抱えることが多い高齢者にとって、この微細な振動や衝撃の連続は、ドライブを「苦痛の時間」に変えてしまいます。

見栄を張って選んだ大径ホイール(薄いタイヤ)が、乗り心地をさらに悪化させ、最終的には「助手席の奥様が乗るのを嫌がる」という事態にまで発展するケースは、私が何度も見てきた光景です。

BMW安全装備の過信と誤操作のリスク

BMWには世界最高峰の安全支援システムが搭載されています。

しかし、これが高齢者にとって「諸刃の剣」になることがあります。

例えば、緊急自動ブレーキや車線維持支援の介入の仕方が、国産車に比べて非常に強力かつクイックであるため、予期せぬ挙動に驚いてパニックを起こし、アクセルとブレーキを踏み間違えるといった二次的な事故を誘発する懸念があります。

また、「車が止めてくれるだろう」という過信は、本来の注意力を低下させます。

BMWの強力な加速性能(アクセルレスポンスの良さ)も、誤操作時には致命的な結果をもたらします。

高齢者がゆったりと、余裕を持って運転するための「優しさ」よりも、BMWは「ドライバーの意思に即応する」ことを優先している車なのです。

BMW高齢者にとっての真の理想的な1台

もし、どうしてもBMWに乗りたいというのであれば、見栄を捨てて「等身大のモデル」を選ぶべきです。

1シリーズや2シリーズアクティブツアラーのようなコンパクトなモデル、あるいは「Mスポーツ」ではなく「ラグジュアリー」や標準仕様の足回りを選ぶこと。

また、最低でも「新車から5年間」は追加費用なしで整備が受けられるパッケージを契約し、5年経ったら迷わず手放す(乗り換える)という潔い運用が必要です。

しかし、多くの高齢者が求めているのは「周囲への誇示」です。

そのために無理をして5シリーズやX5の中古車、あるいは高額なローンを組んで最新モデルを購入することは、文字通り「老後の自由」を売っているようなものです。

まとめ

BMWというブランドは、素晴らしい歴史と技術を持っています。

しかし、それは「維持費という名の対価」を払い続け、「高性能な機械を御する能力」を持ち合わせている人にのみ、その恩恵を与えます。

60代という人生の転換期において、周囲への見栄のためにこの天秤を読み違えると、待っているのは「後悔」の二文字です。

高額な車検費用に怯え、狭い路地で全幅2メートル近い車体を震わせながら運転し、最新機能に翻弄される……。

それがあなたが望んだシニアライフでしょうか。

もし、ディーラーで「年金との兼ね合い」を相談する自分を想像して少しでも不安を感じたなら、今はその見栄を手放すべき時かもしれません。

車はあくまで人生を豊かにするための道具です。

道具に振り回され、生活の基盤を失うことほど、本末転倒なことはありません。

モータージャーナリスト兼コラムニスト 二階堂仁

慶應義塾大学卒業後、大手自動車メーカーに就職。

車両開発の最前線でサスペンションや操舵系の設計に携わる。

その後、自動車の魅力をより多角的に伝えるべく出版業界へ転身。

専門誌での連載を経て、現在は独立し、国内外の新型車レビューから業界裏話まで幅広く執筆中。

「技術者の視点」と「一車好きの情熱」を融合させた鋭い分析に定評がある。

現在の愛車は、レクサスLFA、日産スカイラインGT-R(R34)など。

自らもBMW M5や3シリーズを複数台乗り継いできた経験から、輸入車の維持における光と影を熟知している。