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自動車

【格付け】ドヤれるセダン車ランキングTOP10|Tier形式でそれぞれの特徴を解説

モータージャーナリスト兼コラムニストの二階堂仁です。今回も多く寄せられてる質問にお答えしていきます。

この記事を読んでいる方は、周囲に圧倒的な存在感を示せる、いわゆる「ドヤれるセダン」が気になっていると思います。

私も実際にこれまで数多くのラグジュアリーセダンを経験し、現在はレクサスLFAや日産GTR R34などをガレージに収めていますが、セダンが持つ独特の「威厳」と「色気」は他のボディタイプでは決して味わえません。気になる気持ちはよくわかります。

引用 : メーカーHP

この記事を読み終える頃には、世界最高峰のセダンたちが持つ真の価値と、今のあなたが選ぶべき一台の疑問が解決しているはずです。

この記事の要約
  1. 圧倒的なブランド力と周囲を黙らせる存在感
  2. 職人技が光る工芸品レベルの室内空間
  3. Tier形式による明確な格付けとステータス
  4. 良い点悪い点を含めた本音の車両レビュー

 

それでは解説していきます。

【格付け】トヨタ・レクサスのドヤれるSUV車種ランキングTOP10|Tier形式で解説この記事を読んでいる方は、トヨタやレクサスのSUVの中で「どの車を選べば周囲に自慢できるか」「所有欲を満たせるのはどれか」ということが気になっていると思います。 この記事を読み終える頃には、あなたが手に入れるべき最高の一台が明確になり、SUV選びの疑問がすべて解決しているはずです。...

究極のステータス!ドヤれるセダンの定義とTier格付け基準

自動車の世界において「セダン」は最も基本的でありながら、最も奥が深いカテゴリーです。 昨今はSUVブームに押されている印象もありますが、真のVIPや成功者が最後に辿り着くのは、やはり3ボックスのフォーマルなセダンなのです。 筆者が考える「ドヤれるセダン」の条件とは、単に価格が高いだけではありません。

ブランドの歴史と格式がもたらす無言の圧力

「ドヤれる」ことの根源は、その車が背負っている歴史にあります。 例えばロールス・ロイスやメルセデス・ベンツは、100年以上の年月をかけて「成功者の乗り物」というイメージを築き上げてきました。 このブランドイメージは一朝一夕で作れるものではなく、エンブレム一つで周囲の視線を変える力を持っています。

筆者が大手自動車会社で車両開発に携わっていた頃も、最も苦労したのはこの「ブランドのオーラ」をどう形にするかでした。 スペック上の数値は追いつけても、歴史が醸し出す品格を再現するのは至難の業なのです。 例えば、フロントグリルの縦格子の数や、エンブレムが配置される角度、それら一つひとつに「血統」が宿っています。

圧倒的なボディサイズと道路上での存在感

セダンで「ドヤる」ためには、サイズは重要な要素です。 全長5メートルを大きく超えるロングホイールベースの車体は、日本の狭い道路では不便に感じることもありますが、その不便さこそが余裕の象徴となります。 「この巨体を悠々と乗りこなす自分」を演出できることが、セダンの醍醐味と言えるでしょう。

特に、サイドから見た時の伸びやかなプロポーションは、SUVには出せないエレガンスを感じさせます。 低い車高と長いボンネットが織りなすシルエットは、まさに「動く芸術品」です。 また、リアオーバーハングの長さは、そのまま荷室の容量だけでなく「ゆとり」としてのデザイン表現になっています。

インテリアの工芸品レベルの仕上げと素材への拘り

「ドヤれる」のは外観だけではありません。 むしろ、オーナー自身が最も満足感を得るのは室内空間です。 最高級の牛革を惜しみなく使い、樹齢数百年の銘木から切り出されたウッドパネルを配したインテリアは、もはや車ではなく高級ホテルのスイートルームです。

筆者の愛車であるLFAも素晴らしい内装ですが、ラグジュアリーセダンのそれは方向性が異なります。 スイッチ一つひとつのクリック感、革のなめし具合、そしてステッチの美しさ。 細部に宿る神を実感できるかどうか、それがTier上位の条件となります。 シートに使われる革も、北欧の寒冷地で育てられた、虫刺されの跡がない牛の皮だけを使用するといった徹底した拘りが必要です。

V12エンジンがもたらす究極の静粛性と咆哮

電動化が進む現代において、12気筒エンジンを搭載していることは最大の「ドヤりポイント」になります。 アイドリング時には時計の秒針の音すら聞こえそうなほどの静寂を保ち、アクセルを踏み込めばシルクのように滑らかに加速する。 この二面性こそが、内燃機関の頂点に立つセダンの特権です。

もちろん、最新のEVセダンも加速性能では引けを取りませんが、多気筒エンジンが持つ「無駄の美学」は、余裕のある大人にこそ似合います。 ピストンが動いていることすら感じさせない完全バランスのエンジンフィールは、機械工学の粋を集めた芸術です。

数千万円という価格設定が作る参入障壁

身も蓋もない話ですが、価格は明確なフィルターになります。 新車価格が3,000万円、あるいは5,000万円を超える車は、所有できる人間が限られています。 この希少性こそが、ドヤれる要素の大きなウェイトを占めているのは否定できません。

しかし、単に高いだけでは「成金」に見えてしまいます。 その価格に見合う技術的背景や、伝統的な価値を理解して乗ることこそが、真のステータスを生むのです。 「高いから買った」のではなく「価値があるからこの金額を払った」と言える知識が伴ってこそ、ドヤりも完成します。

オーナーに求められる品格と適切なマナー

「ドヤれる車」に乗る以上、ドライバーやオーナー自身の振る舞いも厳しくチェックされます。 乱暴な運転や不潔な身なりで超高級セダンを操るのは、最も格好悪い行為です。 周囲から「あの車にふさわしい人物だ」と思われることが、究極のドヤりと言えるでしょう。

筆者もラグジュアリーカーで出かける際は、服装や立ち振る舞いには人一倍気を遣います。 車が自分を映す鏡であることを忘れてはいけません。 また、高級車が醸し出す威圧感を、オーナーの謙虚な態度で中和させるのが粋というものです。

最新テクノロジーが提供するデジタルラグジュアリー

現代のラグジュアリーセダンは、伝統だけでなく最新技術でもドヤることができます。 後部座席に備えられた巨大なシアタースクリーンや、AR(拡張現実)を利用したナビゲーション、そしてAIによる音声アシスタント。 「未来を先取りしている」という感覚は、所有者に大きな優越感を与えます。

特に後席のエンターテインメントシステムは、ゲストを乗せた際に最も驚かれるポイントであり、社交の場としても機能します。 「今の車はここまでできるのか」という感動を共有することが、コミュニケーションの潤滑油になります。

高いリセールバリューと適切な維持管理

本当に価値のあるセダンは、中古車市場でも高く評価されます。 「いつでも売れる、しかも高く売れる」という事実は、経済的な成功を裏付けるものです。 また、常にピカピカに磨き上げられ、正規ディーラーで完璧に整備されている状態を維持することも、オーナーの義務でありドヤりポイントです。

筆者の経験上、大切に扱われた車は、次に手放す際も高い価値を維持し、オーナーの格を下げることがありません。 洗車傷一つないボディコンディションを維持し続けること自体が、一つのステータスなのです。

【Tier別】ドヤれるセダン車ランキングTOP10徹底解説

それでは、現在の自動車市場における「ドヤれるセダン」の頂点を、Tier形式でご紹介していきます。 筆者の独断と偏見、そして実際に所有・試乗した経験に基づいた、ガチのランキングです。

Tier S:ロールス・ロイス ファントム|頂点に君臨する魔法の絨毯

世界のセダンの頂点、それがロールス・ロイス ファントムです。 この車に関しては、もはや「車」という枠組みで語るべきではありません。 圧倒的なパルテノングリルと、コーチドア(観音開き)から降り立つ姿は、どんなレッドカーペットよりも華やかです。

ファントムの魅力とドヤりポイント

最大の特徴は、ダッシュボードに設けられた「ギャラリー」と呼ばれるガラス張りのスペースです。 ここにはオーナーの好みに合わせてアートを飾ることができ、文字通り世界に一台の空間を演出できます。 また、天井に星空を再現する「スターライト・ヘッドライナー」は、夜のドライブを格別なものに変えてくれます。 さらに、極厚のCピラーによって、後席の乗員の顔が外から見えにくいよう設計されており、本物のVIPを守る思想が細部まで貫かれています。

ファントムのスペック表

項目 諸元データ
エンジン 6.75L V型12気筒ツインターボ
最高出力 571ps / 900Nm
全長×全幅×全高 5,770mm × 2,020mm × 1,645mm
車両重量 2,710kg
新車価格 6,000万円〜

良い点:

  • 他を圧倒する究極のステータス性
  • 「魔法の絨毯」と称される、路面状況を一切感じさせない極上の乗り心地
  • ほぼ無限に近いカスタマイズの可能性(ビスポーク)

悪い点:

  • 日本の一般的な駐車場には物理的にほぼ入らないサイズ
  • 燃費や維持費を気にする人には絶対に向かない(リッター3km前後)
  • 目立ちすぎるため、お忍びでの移動には不向き

Tier S:ベントレー フライングスパー|官能的な加速と英国の職人技

ファントムが「静」の頂点なら、ベントレー フライングスパーは「動」の頂点です。 スポーツカー顔負けの動力性能を持ちながら、室内はダイヤモンドキルトのレザーで埋め尽くされています。 自らハンドルを握り、時には後部座席で寛ぐ。その両方を完璧にこなせるのがフライングスパーの凄みです。

フライングスパーの独自性

最新モデルではW12エンジンの生産終了が迫っていますが、V8ハイブリッドモデルもまた、現代的なドヤりを提供してくれます。 特筆すべきは、ダッシュボード中央の「ローテーション・ディスプレイ」です。 エンジン始動と共に12.3インチの画面が現れ、ボタン一つでアナログ3連メーター、あるいはプレーンなウッドパネルへと切り替わる。 このギミックは、どんなハイテクガジェットよりも知的好奇心を刺激します。 また、四輪操舵(AWS)の採用により、この巨体からは想像もつかないほど小回りが効く点も、開発者目線で高く評価できます。

フライングスパーのスペック表

項目 諸元データ
エンジン 6.0L W型12気筒ツインターボ (Speed)
最高出力 635ps / 900Nm
0-100km/h加速 3.8秒
最高速度 333km/h
新車価格 2,800万円〜

良い点:

  • 巨大な車体を感じさせない圧倒的な加速力と運動性能
  • 英国伝統のクラフトマンシップが息づく、香りまで高級な内装
  • 四輪操舵による意外なほどの街中での取り回しの良さ

悪い点:

  • スポーティな味付けのため、純粋な静粛性ではマイバッハに一歩譲る場面も
  • タッチパネルの操作系がアウディと共通化されている部分があり、独自性が薄い箇所がある
  • 12気筒モデルは今後の値上がりが予想されるが、冷却系などの維持管理がシビア

Tier A:メルセデス・マイバッハ Sクラス|究極のショーファードリブン

「世界最高の自動車」と称されるSクラスを、さらにストレッチして贅を尽くしたのがマイバッハです。 かつては独立したブランドでしたが、現在はメルセデスのサブブランドとして、より洗練されたラグジュアリーを提供しています。 この車が住宅街に停まっているだけで、その家の格が一段上がったように見えるから不思議です。

マイバッハだけの特別感

何と言っても「ファーストクラス・リヤコンソール」を選択した際の後部座席が圧巻です。 格納式テーブル、シャンパンクーラー、そして専用の銀製シャンパングラス。 これほどまでに「ドヤれる」後部座席は、ロールス・ロイス以外には存在しません。 筆者も長距離移動で利用することがありますが、ノイズキャンセリング機能を備えたBurmesterサウンドシステムのおかげで、移動時間が極上の休息時間に変わります。 ドアが電動で開閉する「コンフォートドア」も、同乗者をエスコートする際に最高のドヤりを提供します。

マイバッハ Sクラスのスペック表

項目 諸元データ
エンジン 6.0L V型12気筒ツインターボ (S680)
全長 5,470mm
ホイールベース 3,395mm
特徴機能 リヤアクスルステアリング、デジタルライト
新車価格 3,000万円〜

良い点:

  • 専用の2トーンペイントによる、一目で通常モデルと違うとわかる特別感
  • メルセデスの最新安全装備と世界最高の信頼性を併せ持つ
  • 滑らかな加速を実現するV12モデルを正規ラインナップで選べる数少ない選択肢

悪い点:

  • 基本的に「運転手付きの車」に見られるため、セルフドライブでは違和感があることも
  • インテリアのデザイン言語が通常のSクラスと近いため、超弩級の新鮮味には欠ける
  • 故障の際は、部品代がマイバッハ専用価格となるため非常に高額

Tier A:BMW i7 / 7シリーズ|デジタルが生み出す次世代のドヤり

BMWのフラッグシップ、7シリーズ。その電気自動車版であるi7は、今最も「時代の先端を行く」ことでドヤれる一台です。 伝統的な高級車が「過去の遺産」を大切にするのに対し、BMWは「未来の提示」で勝負しています。 巨大なキドニーグリルは賛否両論ありますが、夜間にグリル縁が光る「アイコニック・グロー」は街中での存在感が抜群です。

31インチ・シアタースクリーンの衝撃

i7の最大の見せ場は、天井から降りてくる31.3インチの「BMWシアタースクリーン」です。 8K解像度に対応し、車内が一瞬にして映画館へと変わります。 さらに、ハンス・ジマーが手掛けたEV専用の走行音「アイコニック・サウンズ・エレクトリック」は、宇宙船のような加速感を演出し、同乗者を別世界へと誘います。 「静かに走る最新のEV、かつ移動する映画館」というキャラ立ちは、新時代のリーダーに相応しいドヤりを提供します。

BMW i7 xDrive60のスペック表

項目 諸元データ
パワートレイン 電気モーター(前後2基)
最高出力 544ps / 745Nm
航続距離 約600km (WLTC)
特徴 31インチ・シアタースクリーン、ドア自動開閉
新車価格 1,700万円〜

良い点:

  • EVならではの異次元の静粛性と、瞬時に立ち上がる強烈なトルク
  • 世界最高のエンターテインメントシステムによる、圧倒的なおもてなし力
  • BMWらしい、巨体を感じさせない鋭いハンドリング性能

悪い点:

  • 長距離移動時の充電インフラへの依存と、待ち時間のストレス
  • エクステリアデザインがアグレッシブすぎて、フォーマルな場では浮く可能性も
  • リセールバリューがガソリン車に比べて未知数で、下落リスクがある

Tier A:メルセデス・ベンツ Sクラス|王道こそが最強のステータス

Tier Aに君臨するのは、やはり「本家」Sクラスです。 マイバッハほど過剰ではなく、i7ほど未来的すぎない。 しかし、都心の有名ホテルや高級ゴルフ場で最も尊重されるのは、いつの時代もSクラスです。 「Sクラスに乗っている」という事実は、現代社会における一つの完成形を示しています。

王者の貫禄と完成度

現行のW223型は、インテリアがテスラのような巨大モニター中心になりましたが、その操作性は極めて洗練されています。 特に、AR(拡張現実)ナビゲーションがフロントガラスに矢印を投影する様は、初めて見たゲストを驚かせる絶好のポイントです。 また、「E-ACTIVE BODY CONTROL」による、カーブで車体を内側に傾ける挙動や路面のスキャン機能は、物理法則を無視したかのような快適さを提供します。 ドヤるというよりは、「成功者のスタンダード」を無言で示す。そんな大人の余裕が漂う一台です。

Sクラス S500 4MATICのスペック表

項目 諸元データ
エンジン 3.0L 直列6気筒+ISG
全長 5,180mm (標準) / 5,290mm (ロング)
サスペンション エアサスペンション(AIRMATIC)
特徴 MBUXハイエンドリアエンターテインメント、3Dコックピット
新車価格 1,400万円〜

良い点:

  • 全方位で隙がない、世界中の高級車が目標とする圧倒的な完成度
  • 中古車市場でも非常に安定した、圧倒的なリセールバリューとブランド認知度
  • 世界最高峰の安全技術により、自分だけでなく大切な同乗者を守る安心感

悪い点:

  • 街中に溢れすぎていて、個性や希少性でのドヤりは期待できない
  • スイッチ類の物理ボタンが減り、ブラインド操作がしにくい箇所がある
  • 複雑な電子制御システムが多く、保証期間終了後の故障が恐ろしい

Tier B:ポルシェ パナメーラ|スポーツカーの魂を持つセダン

「ポルシェに乗っている」という響きには、他のブランドにはない知的なスポーティさが宿ります。 パナメーラは、伝説の911のパフォーマンスを4枚のドアで実現した、稀有なモデルです。 単なる高級車ではなく「自分で運転を楽しみ、走りに拘っている」という姿勢でドヤれるのが最大の特徴です。

911譲りのコックピットとリアデザイン

運転席に座れば、タコメーターが中央に配されたポルシェ伝統のレイアウトが迎えてくれます。 セダンでありながら、ポルシェ・アクティブ・サスペンション・マネージメント(PASM)により、サーキット走行すらこなせる懐の深さを持っています。 現行モデルはリアのライトバーが非常に美しく、夜の高速道路で後続車に「ポルシェであること」を強烈に印象付けます。 「家族も乗せられるが、本質はドライバーズカー」という言い訳ができる点も、車好きには堪らないドヤりポイントです。

パナメーラ 4のスペック表

項目 諸元データ
エンジン 2.9L V型6気筒ツインターボ
最高出力 353ps / 500Nm
最高速度 272km/h
特徴 ポルシェ・アクティブ・サスペンション・マネージメント
新車価格 1,400万円〜

良い点:

  • スポーツセダンとして世界最高のハンドリングとブレーキ性能
  • 都会的でスタイリッシュな、知的な成功者というイメージ
  • 豊富なオプションにより、世界に一台だけの仕様をオーダーできる

悪い点:

  • 標準状態では内装が意外とシンプルで、豪華さを出すには数百万のオプションが必要
  • 低い全高とタイトなシートにより、後部座席の居住性はライバルより劣る
  • オプションを積み上げると、上位Tierの車が買えるほどの金額になる

Tier B:マセラティ クアトロポルテ|イタリアの情熱と官能のサウンド

ドイツ車や英国車が「論理的」なラグジュアリーなら、マセラティは「情緒的」なラグジュアリーです。 クアトロポルテ(イタリア語で4枚の扉)は、フェラーリ由来のエンジンを搭載した「走るオペラ」です。 この車を選ぶ人は、単なるスペックではなく「音」と「デザイン」に酔いしれる、高い感性の持ち主だと思われます。

フェラーリ・サウンドで周囲を黙らせる

最大のドヤりポイントは、エンジンをかけた瞬間の咆哮、そして加速時の官能的なサウンドです。 トンネル内で響くマセラティ・ノートは、どんなオーディオよりも美しく、車に詳しくない人でも「ただ者ではない」と感じさせます。 また、エルメネジルド・ゼニアのシルクを用いたインテリアは、マセラティにしか出せないイタリアン・エレガンスを体現しています。 「人と被るのを嫌い、自分の感性を信じる」というオーナー像を演出するには最高の一台です。

クアトロポルテ トロフェオのスペック表

項目 諸元データ
エンジン 3.8L V型8気筒ツインターボ
最高出力 580ps / 730Nm
最高速度 326km/h
特徴 ゼニア・パルペッレ・インサート、カーボン外装
新車価格 2,000万円〜

良い点:

  • 唯一無二の官能的なエグゾーストノートによる圧倒的オーラ
  • イタリアンブランドが持つ、艶やかでセクシーな内外装デザイン
  • 生産台数が少ないため、他人と被ることがほぼないという優越感

悪い点:

  • 電装系や細部の品質において、ドイツ車に比べると故障の不安が拭えない
  • インフォテインメントシステムの解像度やレスポンスが、最新のライバルより劣る
  • リセールバリューが不安定で、手放す際の査定額にショックを受ける可能性がある

Tier B:レクサス LS|日本が誇る最高峰のおもてなし

国産車の頂点、レクサス LS。 この車でドヤれる理由は、欧州車とは異なる「日本独自の美意識」にあります。 筆者も開発の裏側を知っていますが、LSに込められた「おもてなし」の精神は狂気的とも言えるレベルに達しています。 例えば、ドアを開けた際に車高が上がり、乗り降りを助ける機能一つとっても、その動作の滑らかさに拘っています。

切子ガラスと西陣織のインテリア

最上位グレード「EXECUTIVE」のドアトリムに採用される「切子調カットガラス」と「西陣織」の装飾は、見る者を絶句させます。 最新のデジタル技術ではなく、日本の伝統工芸を車内に持ち込む。 海外の賓客を乗せた際、これほど誇らしく日本を説明できる内装は他にありません。 また、ハイブリッドシステムによる滑らかな走りと圧倒的な信頼性は、国産車ならではの安心感を提供してくれます。 「分かる人にだけ分かる、究極の工芸品」としてドヤれる、知的な選択です。

レクサス LS500hのスペック表

項目 諸元データ
パワートレイン 3.5L V6+マルチステージハイブリッド
全長 5,235mm
特徴 切子調カットガラス、ハンドプリーツドアトリム、西陣織
燃費 12.6km/L (WLTC)
新車価格 1,000万円〜

良い点:

  • 日本全国どこにいても受けられる、世界一のホスピタリティを持つディーラーサービス
  • 日本の伝統工芸を現代的に昇華させた、唯一無二のインテリア表現
  • 圧倒的な故障の少なさと、維持管理のしやすさ(正規ディーラー網の充実)

悪い点:

  • プレミアムブランドとしての歴史が浅く、独3強に比べると「格」で負ける場面がある
  • ランフラットタイヤによる乗り心地の硬さが、特定条件下で不評を買うことがある
  • ハイブリッド特有の「ラバーバンドフィール」な加速感が、走りの楽しさを削ぐという声も

Tier C:トヨタ センチュリー(セダン)|真のVIPだけが許される静寂

Tier Cとしているのは、この車が「ドヤる」という概念を超越しているからです。 センチュリーは、天皇陛下や首相が乗る「日本の誇り」そのものです。 個人で所有しているだけで、「この人は一体何者なんだ?」という畏怖の念を周囲に抱かせます。 ある意味、ロールス・ロイスよりも注目を集め、かつ敬遠される最強のセダンと言えます。

鳳凰のエンブレムと「神威」の輝き

職人が手作業で一ヶ月以上かけて塗り重ねる「神威(かむい)」と呼ばれるエターナルブラックの輝きは、鏡のように周囲の景色を映し出します。 V12エンジンからV8ハイブリッドに変わりましたが、その静粛性は依然として世界トップレベル。 後部座席でレースのカーテンを閉め、読書灯を灯す姿は、まさに現代の成功者を超えた「権力者」の象徴です。 「あえてこれを選ぶ」という行為自体が、最大のメッセージとなります。

センチュリー(セダン)のスペック表

項目 諸元データ
パワートレイン 5.0L V8+ハイブリッド
全長 5,335mm
特徴 手彫りの鳳凰エンブレム、ウールファブリックシート、七宝焼き
生産体制 ほぼ手作り(選ばれた職人のみで構成)
新車価格 2,000万円〜

良い点:

  • 日本国内における絶対的な威厳と、周囲からの敬意(あるいは畏怖)
  • 最高級のウールシートによる、革シートでは不可能な「滑らない・蒸れない」最高の座り心地
  • 流行に左右されない不変のデザインと、国産最高峰の品質管理

悪い点:

  • 「公的な要職や特定の組織の人」に見られるリスクが非常に高い
  • オーナードライバーであっても、周囲からは100%運転手に見られてしまう
  • 最新のエンタメ装備や派手な演出が皆無で、退屈に感じる場面もある

Tier C:アウディ A8|知的なミニマリズムの極致

最後にご紹介するのは、アウディ A8です。 メルセデスが「威厳」、BMWが「スポーティ」なら、アウディは「知的・クリーン」です。 派手にドヤるのではなく、分かる人にだけ分かる「良いもの感」で勝負する、非常にスマートなセダンです。

アルミボディとクワトロの信頼

アウディは古くからアルミボディ(ASF)を採用し、軽量化と剛性を両立させてきました。 四輪駆動システム「クワトロ」による抜群の直進安定性は、悪天候時の移動でもオーナーに絶大な安心感を与えます。 インテリアも物理スイッチを排した美しいタッチパネルで構成され、まるでモダンな建築物のようです。 「成金と思われたくないが、最高級のテクノロジーを享受したい」という知的なエリート層にとって、これ以上スマートな選択はありません。

アウディ A8 60 TFSI quattroのスペック表

項目 諸元データ
エンジン 4.0L V型8気筒ツインターボ
最高出力 460ps / 660Nm
特徴 プレディクティブアクティブサスペンション、LDWS
ライト OLEDリヤライト、マトリクスLED
新車価格 1,200万円〜

良い点:

  • どんな場所でも悪目立ちしない、非常に知的なブランドイメージ
  • 「クワトロ」による、どんな天候・路面状況でも安定して走れる信頼性
  • OLEDライトによる精緻な演出など、最新のライティング技術を体感できる

悪い点:

  • 控えめなデザインのため、車に詳しくない人には安価なモデルとの区別がつきにくい
  • 圧倒的なステータス性の面では、Sクラスや7シリーズの陰に隠れがち
  • 内装の全面ブラックパネルは、指紋やホコリが非常に目立ち、常に清掃が必要

まとめ

今回のレビューでは、世界を代表する「ドヤれるセダン」たちをTier形式で詳しく解説してきました。 筆者が長年、自動車開発とジャーナリズムの世界に身を置いて感じるのは、セダンとは「オーナーの生き様」を映し出す鏡だということです。

  • Tier Sの車は、人生の上がりを飾るにふさわしい究極の贅沢であり、周囲に有無を言わせない力を持ちます。
  • Tier Aの車は、現代社会をリードする成功者のための最新装備と、確固たる社会的信用を約束します。
  • Tier Bの車は、走りや伝統、独自の美学に拘ることで「ただの金持ちではない」個性を演出できます。
  • Tier Cの車は、周囲を畏怖させるほどの威厳や、あえて控えめな知的な選択を感じさせます。

どの車を選んでも、そのハンドルを握った瞬間、あるいは後席に腰掛けた瞬間、あなたの見える景色は変わるはずです。 維持費やサイズの問題はありますが、それらを乗り越えてでも手に入れる価値が、ここにご紹介した10台には確実に存在します。

この記事が、あなたの次なる相棒選びの参考になれば幸いです。 最高のセダンライフを、共に楽しみましょう!

筆者情報

筆者:モータージャーナリスト兼コラムニストとして活動。慶應大学卒業後、大手自動車会社に就職。車両開発に携わり、その後出版業界へ転身。自動車ジャーナリストへの憧れから独立し、現在に至る。愛車はレクサスLFA、日産GTR R34など。