Nintendo Switch 2の抽選販売が続く中、多くのユーザーが購入できずに困惑しています。
ところが、メルカリでは高額で出品されたSwitch 2が堂々と販売されており、「なぜ転売が許されているのか?」という疑問が噴出。
なぜヤフーは出品禁止に踏み切ったのに、メルカリは容認したのか。この記事では、メルカリの構造的な問題と企業姿勢を深掘りし、なぜ転売ヤーが減らないのかを徹底解説します。
記事のポイント
- メルカリがSwitch 2転売を容認した理由
- ヤフーとの対応の違いから見える企業価値観
- 過去にも繰り返される“見て見ぬふり”の企業体質
- 今後のメルカリに求められる社会的責任
スイッチ2の転売がメルカリで事実上容認されている理由まとめ
手数料依存型ビジネスモデルが根本原因
メルカリの最大の収益源は、取引額に対して課される10%の手数料です。このビジネスモデルの特徴は、販売価格が上がるほどプラットフォームの収益も増えるという構造にあります。

引用 : メルカリ公式 (https://about.mercari.com/about/about-us/)
結果として、商品が定価より高額で転売されればされるほど、メルカリにとっては「歓迎すべき取引」になってしまうのです。
高額転売は収益チャンスというジレンマ
通常、企業はトラブル回避のために問題取引の抑制に動くべきですが、メルカリにとっては高額転売が収益源となっている以上、抑制に積極的に動くインセンティブが生まれにくい構造です。この“利益と倫理のジレンマ”が、メルカリの転売問題の根深さを物語っています。
手数料収入の割合が依存度を物語る
2024年度の決算資料では、メルカリ全体の収益のうち約70%以上が取引手数料によるものでした。広告収入やプレミアム会員費もありますが、比率としては圧倒的に手数料依存型です。このように、一部の高額取引に支えられる形となっており、転売のような取引がシステム上“儲かる構造”になってしまっています。
利益を優先しやすい体質に警鐘
企業として収益を上げることは当然の使命ですが、その手段が「ユーザー不満」や「市場混乱」を助長するものであれば、社会的評価を損ねる結果となります。特に若年層は、このような企業の姿勢を敏感に察知し、厳しく評価する傾向があります。
不介入ポリシーによる“見て見ぬふり”
メルカリは「個人間取引には原則介入しない」というポリシーを掲げており、これは一見ユーザーの自由な取引を尊重する姿勢のようにも見えます。しかし、その実態は「責任の放棄」とも取られる対応につながっています。
最低限のルールはあるが…
メルカリは一応「商品が手元にない状態での出品は禁止」といったルールを掲げていますが、それ以外の規制はほとんど存在せず、出品内容の価格や転売の動機までは踏み込んで管理していません。これにより、購入直後の商品が即出品されるという、明らかな転売行為も見過ごされています。
人気商品の“高騰ループ”を放置
Switch 2のように高い需要が見込まれる商品は、転売によって価格が吊り上がり、それがまた次の出品者の高額設定の指標となります。このような高騰スパイラルが繰り返されることで、本来の販売価格が意味をなさず、消費者の混乱が常態化しています。
運営の介入消極姿勢がユーザーの不満を加速
トラブルや不正が起きた際に「個人間の責任で解決してください」という対応を繰り返してきたメルカリ。こうした“静観”の姿勢は、ユーザーの不信感を強め、SNSなどでは「企業としての責任を果たしていない」との声が後を絶ちません。
不介入方針が“悪質ユーザー”にとっての抜け道に
一部の悪質ユーザーにとっては、このポリシーが「やりたい放題できる抜け道」として機能してしまっています。出品価格を操作するだけでなく、在庫確保後すぐに転売するといった行為が横行し、まじめに利用しているユーザーとの間に格差が生まれています。
過去の炎上事例でも同様の対応
メルカリは過去にも、社会的注目を集めた炎上案件に対して“静観”を続け、事態が拡大してからようやく動き出すという姿勢が繰り返されてきました。その典型が、2025年5月のマクドナルドのハッピーセット転売問題と、2024年の返品詐欺事件です。

ハッピーセット騒動で露呈した無策
子ども向け玩具であるハッピーセットの「ちいかわ」「マインクラフト」コラボ商品が、メルカリ上で数千円という高額で取引され、大きな批判が起こりました。メルカリは「個人間取引である」として具体的な対応を取らず、結果的に子どもたちの楽しみが奪われる形となったのです。これにより、メルカリが社会的配慮よりも収益を優先しているという印象を強めました。
返品詐欺事件でも後手対応
また、2024年に発生したプラモデル取引をめぐる返品詐欺事件では、購入者が別の商品を返送して返金を求めるという悪質な手口が用いられました。被害者がSNSで問題を告発し、大炎上した後にようやくメルカリが動いたことから、「炎上しないと対応しない企業体質」が指摘される結果となりました。
炎上=対応トリガーという企業構造
これらの事例に共通するのは、“対応の遅さ”と“外圧がなければ動かない”という企業姿勢です。多くのユーザーからは「企業としての責任を果たしていない」「信用できない」といった批判が寄せられ、信頼の低下を招く大きな要因となっています。
SNS時代における企業の透明性と即応性の重要性
現代のユーザーは、SNSを通じて企業の動向や対応スピードを即座に確認します。そのため、メルカリのように“後出し対応”が常態化している企業は、透明性や誠実さに欠けると評価されやすく、若年層ユーザーからの信頼離れを加速させる結果となっています。
任天堂との温度差が決定的に
任天堂はSwitch 2の転売対策として、極めて厳格かつ実効性の高い施策を講じています。

単なる注意喚起ではなく、システムレベルで転売ヤーの排除に動いている点が大きな特徴です。
抽選条件で転売目的の応募をブロック
第1回抽選販売では、応募者に対して「Nintendo Online加入1年以上」「ゲームプレイ50時間以上」という厳しい条件を課しました。これは一般的な転売目的ユーザーが満たしにくい条件であり、転売抑制に直結する設計です。220万人以上の応募者の中から、より健全なユーザーが優先される形となりました。
増産と供給安定化への取り組み
任天堂は、Switch 2の供給不安を抜本的に解消するため、増産体制の構築にも注力しています。一時的な転売を防ぐだけでなく、中長期的に誰もが正規ルートで入手できる仕組みを整える姿勢を明確に示しています。
メルカリは“対策アピール”にとどまる
一方、メルカリは「高額出品へのアラート表示」や「オークション機能の制限」といった部分的措置のみで、抜本的な出品制限には踏み込んでいません。規約上は出品が可能であるという立場を取っており、実質的に転売を容認している状態が続いています。
本気度の違いが企業価値に直結
任天堂が構造的に転売を抑制する仕組みを導入しているのに対し、メルカリは形式的な対応のみに留まっており、企業の社会的責任に対するスタンスの違いが如実に表れています。この温度差が、ユーザーの信頼や市場の評価に大きな影響を与えているのです。
ヤフーとの対応の差がネットで大炎上
ヤフーはSwitch 2の本体出品を6月5日から全面禁止。出品タイトルに商品名を明記するケースだけでなく、「おまけ付き」「セット販売」といった“迂回出品”に対しても一切の例外を設けず、強い姿勢を貫きました。
転売防止のガイドライン改定
Yahoo!オークションは、Switch 2に関して「取引環境の混乱を招く」として、ガイドラインを迅速に改定。これにより出品そのものが違反行為と明確化され、出品者のアカウント停止リスクも高まるなど、現実的な抑止力が発生しました。
SNSではヤフーの対応に賞賛の声
この厳格な対応に対してSNSでは「ヤフーは本気」「企業姿勢が頼もしい」といった声が相次ぎ、社会的責任を果たす企業としての信頼が高まりました。一方で、メルカリの“転売容認”姿勢が並列で語られ、その対比が一層際立つ結果となりました。
メルカリの信頼度急落とSNS批判の波
メルカリに対しては「金儲け主義」「ポーズだけの対策」といった批判が殺到。「もう使いたくない」「転売ヤーの味方」といった否定的なコメントが拡散され、転売問題とともに企業価値への疑問も浮上しました。
企業対応の差がブランド力に直結
ヤフーのように、即応かつ明確な方針を示す企業は信頼を集めやすく、ブランドイメージを高めることができます。対してメルカリは、“判断が遅く、踏み込みが浅い”という評価が広がり、ユーザーの移行や批判の拡大という形で目に見える形の影響を受ける結果となりました。
ユーザーの失望と若年層の離反
SNSネイティブな若年層は、企業の社会的責任や倫理観に対して非常に敏感です。特に、環境問題やフェアトレード、ジェンダー平等など、社会課題への共感が強く、企業の姿勢が直接的に支持・不支持へと結びつきやすい傾向があります。
転売容認が「敵視」の引き金に
メルカリの転売容認姿勢は、こうした価値観を持つ若者たちから「一般ユーザーの敵」「利益優先企業」とみなされる原因になっています。SNSでは「転売ヤーの味方」「健全な取引を破壊している」といった批判が噴出し、若年層の離脱を加速させています。
若者ユーザーの移行が現実に進行中
実際に、「今後はヤフーを使う」「メルカリをアンインストールした」といった投稿も見られ、若い世代が他サービスに流れている実態があります。こうしたユーザーは、他人の評価や口コミを重視する傾向が強く、一度失われた信頼は回復が極めて困難になります。
信頼回復には姿勢の抜本的転換が不可欠
メルカリがこの層からの信頼を取り戻すためには、単なるパフォーマンス的な施策ではなく、「行動」で誠意を示す必要があります。転売対策に本気で取り組む姿勢、ユーザー保護を最優先にした制度設計、そして不正行為への即応体制の整備などが求められています。
改善宣言のタイミングが不自然すぎた
メルカリは、SNS上での批判が最高潮に達した2025年5月末、突如として「鑑定センターの設立」「全額補償サポートの導入」「AIによる不正監視の強化」といった“改善宣言”を打ち出しました。
炎上直後の発表に違和感
これらの施策が発表されたのは、任天堂との協力を発表する直前のタイミングであり、ユーザーからは「炎上を見て慌てて動いた」と受け取られました。実際、以前から同様の問題は存在していたにもかかわらず、目立った対応を取らなかったことから、“批判逃れのポーズ”と認識されてしまったのです。
過去にも繰り返された「後手の改善宣言」
メルカリは、過去にもハッピーセット転売問題や返品詐欺問題などで、炎上後に「改善強化」を打ち出すパターンが繰り返されてきました。つまり、「炎上→謝罪→改善宣言→実質何も変わらない」というサイクルが定着しており、ユーザーの間ではその流れが既に“見抜かれている”のが実情です。
信頼回復には“予防的対応”が必要
本来、企業が社会的責任を果たすには、問題が起こる前に予防的な措置を講じることが求められます。しかし、メルカリは常に“後出し対応”に終始しており、ユーザーにとっては「またか」という印象を与えるばかり。信頼を回復するには、今後は問題の予兆段階で積極的に対応する“先手の企業姿勢”が不可欠です。
スイッチ2のメルカリ転売問題に対する本質的な解決策まとめ
手数料依存モデルからの脱却
本気で転売を抑止するには、まず現在の“高額商品ほど手数料収益が増える”という構造自体を見直す必要があります。メルカリのようなプラットフォームにとって、転売を抑制する施策が経営上の痛手になる仕組みがある限り、本気の対策には踏み切れません。
手数料を段階式に見直す案
例えば、取引金額に応じて手数料率を低減させる「段階式手数料モデル」を導入することで、高額転売による収益拡大の抑制が可能になります。これにより、価格が吊り上げられてもメルカリの手数料収入が増えにくくなるため、転売のインセンティブも下がります。
転売判定商品に対するペナルティ課金制度
AIなどで転売の可能性が高い商品や出品履歴を特定し、そうした出品に対しては手数料を逆に引き下げる、または一時的にアカウント制限をかけるなど、ペナルティ的な運用を検討することも有効です。プラットフォームが明確に「転売は利益にならない」とメッセージを発することが重要です。
健全取引促進へのインセンティブ付与
逆に、正規価格に近い価格での取引や、購入者からの高評価が多いアカウントに対しては、手数料優遇やポイント還元といった報酬制度を設けることで、健全な売買を促すこともできます。
モデル転換には中長期的視野が必要
手数料依存から脱却するには、短期的な収益ダウンを受け入れる覚悟が求められますが、社会的信頼を取り戻し、長期的に持続可能なプラットフォームとして成長するためには、避けて通れない変革です。
出品制限の徹底化
Switch 2のような高需要・限定販売の商品に対しては、出品制限を明確かつ強力に実施することが不可欠です。ヤフーのように「本体の出品を全面禁止」する方針を徹底すれば、プラットフォームそのものが転売の温床となる事態を回避できます。
出品ガイドラインの具体化が必要
現在のメルカリのガイドラインでは、出品禁止の商品カテゴリーに曖昧さが残っており、Switch 2のような商品でも出品自体は技術的に可能となっています。これを防ぐには、具体的な商品名・品番を列挙したうえで、「発売日から一定期間出品禁止」などの明文化が必要です。
迂回出品への対応強化
「本体+おまけ」「ソフト付きセット」などを装った転売出品も多発しています。これに対しても出品チェックロジックを強化し、文言や価格帯、カテゴリなどから総合的に“転売目的”を判断できるようにする必要があります。
違反出品へのペナルティ運用
違反出品者に対してはアカウントの一時停止、警告通知、再出品禁止期間の付与など、具体的なペナルティ措置を実施することで抑止力を強化すべきです。
事前審査制の導入
人気商品の転売を防止するには、出品前の段階で審査を行う仕組みの導入が効果的です。特にSwitch 2のような高額商品では、アカウントの信頼性を事前に精査することで、悪質な出品者の排除につながります。
購入履歴に基づく出品審査
出品申請時に過去の購入履歴・販売履歴・評価点数などをもとに、一定基準を満たしたアカウントのみに限定することで、転売目的の新規アカウントを排除できます。これにより、健全なユーザーだけが出品できる仕組みが形成されます。
出品審査のAI活用と自動化
手動による審査では限界があるため、AIによる機械学習を活用した自動スクリーニングが有効です。出品内容・商品画像・価格帯・説明文を照合し、過去の転売パターンと一致するものを検知して自動的にブロックできます。
審査制度に透明性を持たせる
出品可否の基準を明示し、ユーザーが自らの状態を把握・改善できるようにすることで、誤解や不満の抑止にもつながります。
AIによる自動監視と即時対応体制
AI技術を活用することで、膨大な出品データの中から“転売疑惑商品”を高精度で検知できる仕組みが実現します。メルカリのような規模のプラットフォームでは、人力監視には限界があるため、AIによる自動監視と即時対応体制の強化が急務です。
異常価格検出アルゴリズムの導入
平均相場と比較して異常に高額な商品について、価格乖離率やカテゴリ別の上限値を設定し、自動で警告・非表示処理を行う仕組みが必要です。過去の相場データをもとにリアルタイムで価格変動を監視することも有効です。
通報受付と対応の24時間体制化
ユーザーからの通報を受けて即座に対応できるカスタマーサポートチームを24時間体制で配置することで、悪質出品者の迅速な排除が可能になります。自動検知と人力対応のハイブリッド型運用が理想です。
検知対象の拡大とアップデート
検知対象を価格だけでなく、商品説明文やカテゴリの不一致、アカウントの異常行動(短期間の連続出品など)にも広げることで、転売パターンの変化にも柔軟に対応できます。
企業姿勢の明確化
社会的責任を果たす企業姿勢を単に表明するだけではなく、それを実際の制度や行動に反映させることが求められます。とくにSNS世代を中心とする若年層は、企業の「言動の一致」に非常に敏感であり、建前やパフォーマンスだけの対応はむしろ逆効果となる場合もあります。
CSRの本質は“継続的な実行”
企業の社会的責任(CSR)は一時的なアピールではなく、継続的・一貫性のある行動によって信頼が育まれます。メルカリが真に支持を得たいのであれば、「転売問題を許容しない」という理念を制度化し、日々の運用に落とし込むことが不可欠です。
経営陣のコミットメントが鍵
経営層がCSRや転売対策に本気で取り組む意志を持ち、それを社内外に明言することも重要です。役員レベルでの定例発信や、問題に対する透明性あるレポートの公開が行動の信頼性を支えます。
ユーザーとの対話による信頼構築
定期的なユーザーアンケート、フォーラムの設置、SNS上での透明なやりとりなど、ユーザーとの「対話姿勢」も信頼回復には不可欠です。一方通行ではなく、意見を反映させる柔軟性が今後の企業評価を大きく左右します。
政府との連携による規制強化
転売問題を根本的に解決するには、民間企業の努力だけでは限界があります。政府や関連省庁と連携し、制度的・法律的な支援体制を整えることが求められています。
経済産業省とのガイドライン策定
経済産業省と連携し、転売禁止の明確なガイドラインを策定することで、企業ごとの対応にばらつきが出ないようにする必要があります。特にSwitch 2のような消費者人気が高い製品では、「正規販売ルート以外での再販を制限する」などの明文化が効果的です。
法整備による強制力の付加
現在は転売行為自体が違法であるケースが限られていますが、「営利目的の高額転売」に対しては罰則付きの規制を導入する法整備も視野に入れるべきです。これにより、プラットフォームも適切な監視義務を果たさざるを得なくなります。
官民協力による監視体制の強化
政府主導の監視チームと、企業側のAI監視システムを連携させたハイブリッド監視体制を構築すれば、より広範かつ実効性のある転売抑止策が可能になります。また、通報窓口の一本化や情報共有の仕組みも重要です。
消費者保護の観点を明確化
政府との連携を進める中で、あくまで転売対策の目的が「消費者保護」にあることを前面に出す必要があります。健全な価格で安心して商品を購入できる環境を構築することが、市場全体の信頼性回復につながります。
まとめ
Nintendo Switch 2の転売問題は、単なる商品流通のトラブルではなく、企業の姿勢と構造的課題が露呈した一件でした。ヤフーが明確に社会的責任を果たす中で、メルカリはビジネス優先の姿勢を貫き、信頼を失いました。
転売容認の背景には、手数料依存のビジネスモデル、個人間取引への不介入ポリシー、そして“炎上しないと動かない”企業体質があります。今後、こうした構造を根本から見直さなければ、ユーザーの信頼回復は困難です。
本当の意味でユーザーと社会に寄り添うサービスへと進化するためには、メルカリ自身が今こそその在り方を問い直す時期に来ています。